IPO投資における「元手」とは?現実を見よう

2019年4月14日日曜日

IPO 雑記

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IPO投資における「元手」とは何だろう?というお話です。
当選した結果としての「元手」と、実際に当選に必要な「元手」 は異なります。

当選した結果としての「元手」とは?

例えば、ある企業が新規上場する際の公募価格が100株当たり20万円でした。初値売りで50万円で売れたので30万円の利益です。20万円の「元手」に対して30万円の利益ですから、利回りは150%です。

ここで言う当選した結果としての「元手」とは、当選後の購入に必要なお金のことです。この例で言うなら20万円ですね。

実際に当選に必要な「元手」とは?

上の例で当選した人はどんな人達なのでしょうか?証明する術もないので実際はわかりませんが、おそらくは次のような人達です。

・複数の証券口座を開設している人
・SBI証券やSMBC日興証券などの、資金残高に応じた優遇措置を最大限に活用している人(数千万あるいは億単位で余剰資金がある人)

もちろん両方を実施している人がもっとも当選確率が高く、実際に当選していることでしょう。

では、余剰資金が20万円しかなく、1社のみからしか申し込んでいない人は当選しないのか?と言われれば、「(限りなくゼロに近いけど)当選確率はゼロではない」としか言えません。もちろん、完全公平抽選の証券会社であれば資金力は関係ないのでその限りではありません。ただ、その場合でも完全公平抽選の証券会社が複数幹事になっていれば、その全てから申し込む方が当然ながら当選確率は上がります。そのためには、20万円では当然足りず、申し込む数だけの資金力が必要です。

ここまでをまとめると、実際に当選に必要な「元手」とは、幹事になっている全ての証券会社から申込みが可能で、なおかつ各証券会社独自の優遇措置を最大限に活用できる資金力のことです。

余剰資金が極端に少ない場合は現実を見たほうがいい

結果だけを見れば「元手たったの20万円で30万円も儲かった!超ラッキー!」になっちゃうわけだけど、その裏では100倍以上の資金が蠢いてるのが現実じゃないかなー、と思うよ。ネットで報告してる人達も、実際にいくらの資金力で当選したのか明確にしてる人は少ないしね。

IPO投資に期待してはいけない、というのはこういうことだね。IPO投資を勧めるサイト自体は悪いとは思わないし、実際に活用させてもらってるからありがたいのだけれど、「IPO投資は少額資金でもできる!運さえあれば当たる!」という触れ込みは「宝くじは少額資金でもできる!運さえあれば当たる!」と言ってるのとほとんど変わらないと思う。決して嘘じゃないけど現実的じゃない、というやつだね。

個人的な意見を言わせてもらえれば、日々の厳しい生活でやっと確保した数十万円の余剰資金を常にIPOのためにプールしておくのは、はっきり言って時間の無駄だし、いろんな機会を損失してると思うよ。ありえない夢を願うのはやめて、時間と余剰資金を有効に使って、まずは本業の収入を増やすべく努力した方がよほど人生が豊かになるはずだよ。IPO投資をするのはその後でも全然遅くない。

数千万以上の資金がないとIPO投資に参加してはいけないのか?

もちろんIPO投資は自由意志で誰でもできるわけだから、余剰資金が少ない人は参加するな、とは言えないし、当たって幸せになってる人もごく少数ながらいてるはずだから、夢を見ること自体は悪いことではないよ。

でも現実的な確率を考えた時に、最低でも数百万円程度の余剰資金がないと、時間を浪費するだけだと思うよ。お金はいつだって現実主義者のところに集まるんだ。夢を見てるだけじゃ、お金とのお付き合いはできないんだよ。

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